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左図に示すように,
BTデバイスは近接するデバイス同士がお互いのプロファイル情報を交換し相互認証した後で
通信を行います.
各BTデバイスはBDA(MACアドレス)と呼ばれる固有のID情報を持っており,
他のBTデバイスから接続相手を探索する信号を受け取る(Step1)と
BDAを含むプロファイル情報を返信します(Step2).
これは相互認証して通信を行う(Step3)ためのプロセスですので,認証されていなくても返信が得られます.
この特性を利用して,ユーザが携帯するBTデバイスから定期的に探索信号を発信することにより,
各時点でユーザの周囲にあるBTデバイスのBDAの集合が得られます.
上記のようにして得られる周囲のBTデバイス情報は,
左図に示すように周辺の状況や場所,イベントの種類によって特徴が異なります.
例えば自宅やオフィスにいる場合,
Wiiなどのゲーム機器,HDDレコーダ,PCなどその場所に設置された既知のBT機器のBDAが
連続して記録されます.
逆に外出して移動しているような場合には
周囲にいる人が持つ携帯BT機器が多く検出されます.
他人が多くいるような空間,例えば大きな食堂などに入った場合,
そこに入った直後に多数の未知の携帯電話のBDAが得られることになります.
また,電車やバスなどの公共交通機関を使用して移動している場合,
移動中は乗り合わせた人が持つ携帯電話等のBDAが継続して記録され,
駅や停留所に停車するたびにその一部が入れ替わることになります.
また講義や講演会に出席している場合も出席者の携帯電話やその部屋の設備のBTデバイスが
検出されますが,
講義や講演の時間中ほとんどのBDAが入れ替わることなく検出されることになります
(図をクリックすると拡大表示されます,以降同様).
左上の図(グラフ)は2009年の元旦に
京都三社参り
(三つの神社を詣でること)を初詣として行った際の検出履歴です.
横軸は時間経過,縦軸は検出されたBDAを初検出時刻順に割り当てたIDで,
IDが小さいほど初検出が古いBT機器になります.
バスによる神社への移動(A)では同時検出デバイス数が比較的少なく
かつ同じデバイスが継続的に検出されています.
対して,神社内の回遊(B,E,G)は初詣で混雑しているために
多くの新たなデバイスが検出されており,
また同時に多くのBTデバイスが検出されています.
左の図は大阪から京都開催の学会に参加した際の検出履歴とクラスタリング結果です.
混雑した電車乗車時(A,F)では,短時間に多くの携帯電話を検出すると共に,
駅での乗降の様子が履歴に現れています.
また,学会会場での聴講や懇親会(B,C,D,E)では
同じ人物と長時間場所を共にした様子が現れています.
現在,分節パラメータの検討及び分節化手法の開発を行っています.
○参考文献
○「見えない」ビジュアルマーカによる実世界物体とのインタラクション
ユビキタス社会ではユーザの周囲のさまざまなモノをシステムが検知し,
その状況に応じたサービスを提供することが望まれます.
モノ(対象物)が何であるかをシステムが知るために,
無電源・非接触の電波タグ,
アクティブタイプの非接触電波タグ,
光源の点滅パターンでIDを表現するタイプのアクティブタグなどを使う方法が提案されていますが,
対象物に埋め込まれるタグに電源を要したり検知距離が短いなどの問題がありました.
CyberCode や
ARToolkit に代表されるビジュアルマーカを
画像認識する手法は無電源・低コストでモノの移動にも対応できるというメリットがありますが,
多くは白黒パターンでIDを表現するビジュアルマーカを
この写真のように実世界に配置すると景観やモノの美観を損ねるという問題がありました.
そこで本研究では,透明な
再帰性反射材を使って
モノにマーカパターンを塗布してビジュアルマーカを構成し,
そのマーカを我々が開発したObjectCam2で
認識することで,
目には見えないが機械には見えるビジュアルマーカを実現しました.
ObjectCam2は赤外線LED照明の明滅をコントロールすることで,
通常のカラー画像(「目に見える」光景,写真左)に加えて
カメラ組込みの赤外線照明への反射光を含むカラー画像(写真右)を高速に取得できます.
マーカを構成する再帰性反射剤は入射した方向に光を反射させるという特性を持っていますので,
これらの2枚の画像の差分を取る(引き算する)ことで,
輝度の大部分が赤外線照明への反射光からなる画像(左図(a))が得られます.
このデモビデオ(QuickTime形式,
DivX形式AVIはこちら)は,
システムがチラシやカレンダービジュアルマーカ情報を読み取り,
関連するWebページを表示する様子を示しています.
このように,実世界のさまざまなモノに「見えない」マーカでIDを与えることで
より便利で精神的に豊かな生活が期待できます.
(図や写真をクリックすると拡大します)
本研究は関西学院大学理工学部情報科学科の
2007年度の注目卒業研究に選ばれました.
○参考文献
今後は分離精度の向上と適用環境の拡大を図ると共に,
生成された背景パノラマ画像を用いた更新部分(上記)の検出に取り組みます.
□車載画像処理
○車載カメラ映像からの沿道パノラマ画像生成
本研究は車載カメラ画像からの実世界地図作成のため,
GPSによる走行経路履歴を用いた車載カメラ画像からの沿道パノラマ画像生成を行います.
カーナビ等の地図には店舗情報や建物のグラフィクスが付与されていますが,
建築や店舗の交替など実世界における更新への対応は従来手動で行われていました.
その作業を自動化できると大幅なコストダウンが期待できます.
そのために本研究では左図のようにビデオカメラを車両の横向け(日本においては左向け)に取り付けて
走行しながら沿道の映像を記録し,
直進区間を走行中のフレーム画像を接続して沿道パノラマ画像を作成します.
ここで問題になるのが,駐車車両や歩行者,信号など背景となる建物の前にある障害物です.
パノラマ画像中に障害物が含まれてしまうと,上記の更新判定に支障をきたします.
本研究では障害物をできるだけ排除した形でのパノラマ画像生成を目指します.
左図は障害物を含む撮影画像の例です.
2台のトラックが駐車しており,建物を遮蔽しています.
ビデオカメラ映像は秒間30フレームの画像でできていますが,
あるフレーム画像の大部分の画素に対応する画素が時間的に近接するフレーム画像にあります.
これらの対応する「点」はカメラからの距離に応じた「速度」で移動します,
すなわちカメラに近い「点」は遠い「点」に比較すると高速で移動します.
この特性を利用して背景領域と障害物領域を分離します.
本研究ではSIFT特徴量と特徴点移動方向の制約を用いてフレーム画像間で対応する特徴点を決定します.
左図は得られた対応点の例です.
このように対応付けられた各特徴点ペアに対して,
その移動量と近接特徴点の所属クラスタを基準にクラスタリングを行い,
背景領域と障害物領域を分離します.
左図は背景と判定された領域のパノラマ画像です.
トラックの荷台部分に誤判定がありますが概ね良好に分離されています.
障害物で完全に遮蔽された領域は当然ながら再現できません.
左図は前景(障害物)と判定された領域のパノラマ画像です.
共に境界部を中心に誤判定がありますが,概ね良好に分離されています.
この図は特徴点移動量から換算したカメラから前景及び背景への距離の比を反映させたものです.
○参考文献
□センサフュージョンによる実世界コンテンツ生成
○パーソナルビークル搭載カメラ・センサからの走行状態・危険検知
本研究は次世代パーソナルビークルと言われているSegwayの安全走行を支援するために,
複数のカメラをSegwayに搭載し得られる画像を処理することで
Segwayの走行状況および走行中のSegwayの前方を歩行者などの危険な移動物体を検出しようというものです.
左図に示すように本研究では前方に向けたカメラだけでなく,
斜め下方向を捉えるカメラをSegwayに設置します.
本研究のアイディアは,下向けカメラを言わば「オプティカルマウスのセンサ」のように利用することで
走行状況を確実に検出し,
前方カメラから得られる情報との矛盾を利用して移動物体を特定することです.
Segwayは運転者が体重移動やハンドルバーを傾ける操作により前進や後退,加減速,右左折などをコントロールするため,
自動車など通常の車載カメラと比較するとカメラの姿勢が走行状況により大きく変化します.
このため,下向けカメラから得られた地面やフロアの画像パターンの時間的な変化を走行状況をまず確実に捉えます.
左図は前進,後退,加速,減速,右折,左折時の下向きカメラの画像とそのオプティカルフロー(赤線)です.
このオプティカルフローの方向と長さにより各時点での走行状況と速度を推測します.
左図は前向きカメラから得られる前方画像とそのオプティカルフローです.
下向きカメラ画像を解析することにより得られる走行状況と速度から
前向きカメラ画像に現れる「はず」のオプティカルフローを推測し,
その推測から外れた動きを示す領域を検出することで車両前方を横切る人などの移動物体を安定して捉えます.
実験の結果,運転者に警告してから安全に停止できる時間的猶予をもって移動物体を検出できることがわかりました.
○参考文献
□拡張記憶/体験メディア(ウェアラブルコンピューティングによる体験記録とその利用)
□関連発表論文・参考文献
学術論文誌
査読付発表
その他の外部発表
学位論文等
2009年度
2009年度
2008年度
2007年度
□研究業績・発表文献リストへ
河野恭之 /
人間システム工学科 /
理工学部 /
関西学院大学